林田温泉での合宿はフィリピン人との共同生活だったが、ある日食堂の炊事場に行くと、何やら彼らが料理を作っていた。

何を作っているのかと覗いて見て驚いた。

まな板の上には豚の頭・・・しかも片手にトンカチを持っている。何をするかと思いきや、勢い良くそのトンカチを豚の頭に振り下ろした。

「グキ!」と鈍い音がしたかと思うと、見事に頭蓋陥没。振り返った彼の片手にはスプーンが握り締められ、そのスプーンの上に何やら白いトロトロしたものが・・・・。

私に気づいた彼はニヤっと笑い、そのスプーンを差し出してこう言った。

「喰うか?!」
「ノー・サンキュー」

勿論食生活の違いは理解しているが、いきなり「脳みそ食うか?」と言われると、ちょっとたじろぐ。続けて彼はこう言った。

「いやあ、日本は豚の頭安いね。国では高級品だぜ。」

そーゆー事情は分かるのだが、やはり食べる気には成れない。もう一度丁寧にお断りをした。

そういえば、彼らと初めて話した時に、ふざけて頭のおかしい振りをしたのだが、それ以来怖がってダンサーの女の子達が近づかなくなった。

彼らと、焼肉パーティーをしたときも、食事が終わって他の団員が一人一人とカップルになり暗闇に消えていくのを見ながら

「くそ、失敗した」

と、思ったものである。

そー言えば、昔、会社に新入社員が入って挨拶に来た時、韓国人のまねをして出鱈目な韓国語で挨拶したら面食らっていたな。あれは面白かった。