ぬいぐるみショーのバイトで遠方に行く場合は朝5時集合などという無茶なスケジュールを告げられることがある。

4時には起きて当時住んでいた福岡の香椎から自転車で博多駅近くの事務所に向かう。

5~6人のメンバーがワゴン車に乗り込んで6時頃には博多を出る。目的地に着くまでは暇なので大抵は寝ている。そんな車の中、ゴツンゴツンという音で目が覚めた。

はじめは何の音か分からない。しかし、気がつくと運転席からその音がしている。薄目を開けて運転席を見やると、運転しているスタッフが小声で呟きながら、シートのヘッドレストに頭を打ち付けている。

「ねむい・・」

ゴツンゴツン・・・

こちらは生きた心地がしない。

帰りの車でも大抵は寝ているが、たまに皆起きている場合がある。そんな時の楽しみは、仕事で使う怪人の頭を被っての運転だ。怪人さそり男とか、恐怖コブラ男などの仮面をつけて運転すると、対向車の反応が面白いのだ。

ぎょっとする人、指を刺して笑う人、泣きそうな顔で見つめる子供・・・そんな反応を見ながらみんなでゲラゲラ笑う・・・じ、実に退廃的だ。

良い子はまねしないように。