今は完全インドアな生活を送っている私だが、子供の頃は違っていた。父がアウトドア派であった影響で、毎週週末は、釣りや登山に連れて行かれた。

今の生活からすると想像できない。

夏休みになると友人と自転車であちこちを回った。九州一周なんてのもやった。従って、キャンプなど慣れた物だ。キャンプなど屋根があるわけで、野宿に比べれば快適である。

高校の時、高千穂の山の中で雷に襲われたことがある。川沿いの橋の下に無理やりテントを張って寝ていたのだが、1時を過ぎた頃から大雨になった。それまで水量が無かった川も次第に濁流と化し、とてもキャンプどころではない。ずぶぬれになりながら、テントをたたみ、橋の近くのバス停まで逃げ込んだ。

そのバス停には地蔵が祭られており、畳2畳ほどの小さな小屋になっていた。そこで寝ることにした。雨の状態はさらに激しくなり、小屋の前の国道も良く見えない。こうなると寝るしかない。一緒に行っていた3人で寝場所を作り、横になった。

3時を過ぎた頃、雷の音で目がさめた。

山の中の雷は、普段我々が体験する雷と違い、落ちるのが良く見える。閃光が発せられた瞬間、ものすごい音と地鳴りがして、落ちた場所の大木が裂けて燃えるのが見えた。気が気ではない。幸いそれほど近くには落ちなかったが、それでもあちらこちらで大木が燃えているのを見るのはあま良い気持ちはしない。

そんな中、後ろに居る友人に声をかけた。

 「すげーなー。燃えてるぜ!」

返事が無い・・・おかしい!

 「おい、どうかしたのか?」

やはり返事が無い・・・心配になって、向きを変え友人の顔を覗き込んだ。

寝ている!

信じられない・・・この轟音の中寝ていたのだ。それまで自分は鈍感なタイプだと思っていたのだが、「上には上が居る」という事を気づかされた出来事だった。