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大学生の時にバイクで事故った13(最終話)

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ギブスに固められた右足をいたわりながら実家に帰りながら思った。

「あ。ギブスにすると痛くないな」

当然である。

それまでの痛みは嘘のように消え、松葉杖をつきながらではあるが、揚々と帰宅した訳だが、そのあとどっと疲れが出た。その疲れというのは、どちらかというと肉体的というより精神的なものであった。
「え、じゃあ、この1ヶ月はなんだったんだー!」
やっと少しだけ怒りがこみ上げてきた・・・・・・遅い!

しかしながら、私は怒りを持続させる事が性格的に出来ない、しばらくすると、怒りも収まり、部屋で寝転んでいたのだがどうにも体がだるい。

そういえば、骨折からすでに4ヶ月以上経っているにも関わらず、体力が戻っていない。なーんだか、いつもからだがだるくて長時間おきていることができない。

思い出してみると、入院中、左わき腹に痛みがあり、検査も受けたのだがそのときは、
「胃腸はきれいだよ、多少、肝臓の機能が落ちているね。でも、たいしたことないよ」
と云われた。でも、そのときの痛みは、胃腸ではないと分っていた。胃腸は元々弱く、調子が悪い時の症状には慣れっこだった。しかし、入院中の痛みは違ったのだ。

「先生、でも、この痛みは胃腸とは違うと思うんですよね。なんだか、別の部分だと思うんです。」

勇気を出して答えた私に先生は

「いやあ、その辺は胃腸だよ、胃カメラも飲んだし大腸ファイバーもとって異常ないんだから異常なしだよ」
「はあ、そーですか」

専門家にそう云われれば黙るしかない・・しかし、ガールフレンド家に居た時血便出てたしなー。すげー横腹が痛くて引きつるような痛みで寝れなかったし・・・あれってなんだったんだろう。

こーゆー時系列が混乱した状態でいろんな状況の記憶がごっちゃになって浮かんできた。
やっぱり体調わるいな。骨折って体力落ちるんだなー?そう考えながらその日は眠りについた。

大学生のときにバイクで事故った14

チャンとした治療を受けてギブスも取れ、リハビリの毎日が始まった。そうこうしているうち。正月も明け、また学校に行かねばならなくなった。

それまでは、折れた足のまま、松葉杖を突いて学校に通っていた。

しかも卒業研究がレーザーホログラフィーっだたので(写真学科だったが、このお陰でほとんど4年の後半は工学部に入り浸り状態)実験は振動のない夜中しか出来ない。

このため、昼間授業を受けたまま、工学部に向かい、仮眠を取って深夜2時ころから実験を始め、そのままソファーで寝て、朝の授業を受けることも度々あった。一度は、授業の前に教室について、そのまま寝てしまい。教授に起こされることも。

そーゆー生活を4年になってから送っていたわけだが、さすがに疲れてきた。というか、「もういいだろう」という気持ちになってきた。実家が写真屋であることも影響していたが、そのころは

「大学卒業しなくても実家の写真屋があるので、就職には困らないし、これ以上大学行っても意味ねーなー。少ない単位とるのにもう一年大学いってもしょーがないじゃん。」

と、思い出したのだ。そこで、思い切って正月明けてからは大学には行かないことにした。

結局、最終的には、投げ出した卒研と、それ以外2単位が不足し、授業料も払わなかったので、「除籍」ということになった。

しかし、本当の問題はこの後に起こるのだ。

大学生のときにバイクで事故った15(最終話)

大学を辞めた後、実家の写真屋を手伝い始めた。

しかし体の調子が悪い。10時ころやっと起きて数時間すると起きていられなくなる。午後の2時には昼寝しないと体力が持たない。夜は10時には寝てしまう。

最初は事故のため体力が落ちているだけかと思ったがどうも様子が変だ。とにかく体がだるい。

そこで病院にも行ってみたが原因が良く分からない。

しかし、とにかく仕事にならないのだ。まともに動けない。酒とか飲むと2日酔いどころか3日くらい後を引く。どう考えても内臓系の疾患だ。しかしやはり病院では「ちょっと肝臓が疲れていますね」位の事しか言われない・・・仕方なく西洋医学での治療を諦めて、東洋医学の治療を受けることにした。

最初の受診日あっさり言われた。

「あ、すい臓と脾臓やられていますね。このままほっておくと重大なことになりますよ」

それで納得した。特に油物を食べた後、右のわき腹、アバラの一番下の奥に痛みが生じる。というより普段から鈍痛がある。きついときはその痛みで動けなくなる。排泄物が灰色になる。そんな症状の全てが説明できる。

この痛みは、先にも書いたように入院中から始まった。入院中はいつもベットに寝た状態から足を伸ばしたまま上半身だけ起き上がっていた。その為わき腹を圧迫した状況で長いこと座っていたわけだ。しかも遺伝的にもすい臓病の親戚が多い。

東洋治療では様々なものを体験した。

ヨガもやったし、食事制限も行った。特に結婚してかららは元妻の協力も得てマクロビオティック(玄米生食・・いわゆるベジタリアン)も2年くらい実行した。

とにかく、この間は、友人との旅行を計画しても当日の朝になって体調が悪くなり、体全体がしびれ始め、旅行を断念しなければいけなかったり、「自分がやりたいことが出来ない」というジレンマの中で暮らしていたのだ。

東洋治療で少しづつ体力が戻ってきていた事故から7年くらい経ったある日の朝、目を覚まして何気なく両手を伸ばし大あくびをした。その瞬間。

「バチッ!」

というような、何かが弾けた様な感覚を体の中に感じた。「なんだ?今の?」そのとき直感した。「あ、癒着していた何かが外れたんだ!」

それまで、いつも何かに引っ張られるような痛みを左わき腹に抱えていたわけだが、その痛みがその日から消えた。それから、本当の体力が戻ってきた。結局普通の人と同じような生活が出来るまで約10年近くかかった。

一度の事故とはいえ、このために引き受けた体の問題はあまりにも大きかった。

体力は復活したが、今でも酒はあまり飲めなくなった。また、無理をするとやはりすい臓が痛む。

ちょっと、シビアな話になってしまったが、要はこういうことだ。

「若いと無理をしても何とかなると思ってしまうが、一度壊した体が100パーセント元に戻ることはありえない!だから無理はしないように!!」

それでは、長々とこの話に付き合ってくれた人。有難う。これでこの話は終わります。

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