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大学生の時にバイクで事故った06

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さて、この入院生活はほぼ4ヶ月に渡るのだが、それだけ長くなると色んなことに遭遇する。というか、勉強になる色んな事が起きる。

例えば、人間の脳は右と左で、その処理機能が違うという事を体験できたりする。

或る日60歳代のオジサンが運び込まれてきた。その人は脳溢血で倒れたらしい。看護婦に聞いてみると、右脳に障害が起きていて、体も思うように動かない。入院直後は眠り続けていたが、徐々に元気を取り戻し、私にも話しかけてくるようになった。ただ、少し問題があった。おじさんは私に向かって

「隆弘、お前いつ来たんだ?」
「えっ?いや、僕は”隆弘”じゃありませんよ。隣のベットにいる浅川です」
「お前、隆弘じゃないのか?」
「はい、違います」
「じゃあ、何でここに居るんだ?」

混乱している。そーなのだ。右脳というのは、直観力とか、総合的な判断力などを司っているので、状況は認識できるが、正常な判断が出来ない。この、オジサンの混乱は、転院するまで続いた。

「隆弘、お茶飲ませてくれ」
「あ、あの僕は”隆弘”じゃないですけど、お茶ですね。注いであげますね。」
「お前、隆弘じゃないのか?」
「はい、違います」
「じゃあ、何でここに居るんだ?」

このような会話が延々と続いたりする。或る日、またオジサンに話しかけられた

「隆弘、小便がしたい」
「あ、あの僕は”隆弘”じゃないですけど、小便ですね。今看護婦呼びますね。」
「お前、隆弘じゃないのか?」
「はい、違います」
「じゃあ、何でここに居るんだ?」

まあ、これで、通常は看護婦が来て処置してくれるわけなのだが、その時は違った。いつまで経っても看護婦が来ない。どうやらちょうど交代時間でたまたまナースステーションが空だったようだ・・・・・・・・・・って、許されることではないな。

「隆弘、小便がしたい」
「あ、あの僕は”隆弘”じゃないですけど、小便ですね。看護婦読んだのですが来ないですね。」
「お前、隆弘じゃないのか?」
「はい、違います・・・いや、僕隆弘です。」

なぜ?僕が「自分は隆弘だ」と答えたかって?それは、このまま隣のベットでお漏らしをされても困るなと思ったからだ。そこで私は、不自由な足をベットから下ろして、オジサンの尿瓶を手に持ち、オジサンのパンツを下ろした。

その時、触れたオジサンのフニャチンの感触を今でも鮮明に思い出すことが出来る。後にも先にも他人のチンチンを握って尿瓶におしっこさせたのは、このときだけである。いやあ、介護とかやってる方々は尊敬に値しますよ。

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