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大学生の時にバイクで事故った04

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さて、骨折したのは右足のスネの部分だったが、所謂複雑骨折。手術を受ける事になった。

この手術というのがしゃれてる

通常はボルトやプレートを入れて固定するわけだが、そこでは最新の手術を行うという話になった。 そのやり方であるが、プレートやボルトは使用しない。使用せずどうやって固定するかだ。 それは、足の3箇所、つまりひざの下と、足首の上、骨折したちょっと上、この三箇所に鋼線を通す。その鋼線をギブスと共に固定して骨が繋がるのを待つというやり方だ。

この治療方法を説明してくれたのは若い外科医。「最新の治療法」という台詞にはなんとなく惹かれる響きもあり、面白そうなので快く了承した。

しかし、その外科医、何だかとても若い。若さというものにはハツラツとした良さもあるが、治療という基本スタンスに立ち返ってみると一抹の不安もある。しかしながら「まあ、大丈夫だろう」と、たかをくくっていたのが、後半の悲劇というか、これ以降私を10年近く苦しめる、ある結果へと導く事になるのだ。

手術を受けたあとで聞いた話であるが、この病院は救急病院であるにも関わらず、専門の外科医というのがいない。で、私を担当したのは九州大学の医学部のインターンであった。

手術の日、両親に見送られながら、手術室に運び込まれた私は、どんな、手術なのか不安を抱きつつも、割と悠然と構えていた。 「なああに、骨折の手術くらいなんて事ないだろう。内臓と違って、腹割られるわけじゃないしな」 それがその時の想いだった。

軽い全身麻酔のあと局部麻酔がかけられ手術が始まった。勿論、手術中は意識もはっきりしている。さて、骨の3箇所に穴を開けるだけ。電動ドリルで開けるんだったら一瞬だな。

その時、激痛が走った。

「どがーーーーー。痛いです。」
「あ、ごめんごめん。局部麻酔の利きが悪かった悪かったみたいね。看護婦、もう少し麻酔打って」

さらに局部に麻酔が打たれた。先生が

「じゃあ、行くよ」
「はい、おりゃー、まだ痛いです」
「だいじょぶだいじょぶ。すぐ終わるから」

激痛はまったく収まらない。それなのに、骨を削る感じがどんどん続く。ゴリゴリゴリゴリ・・ゴリゴリゴリ。

「おぎゃあ、どりゃー、おぎいいいいいいいいいぃ」

痛い。痛いし、なんか変だ。電動ドリルの音がしない・・・・・静か過ぎる。「ゴリゴリ」しか感じられない。そこで足元を見て状況が理解できた。

手回しドリルだ! 手回しドリルを持った医者が私の足を看護婦に押さえつけさせて、馬乗りになっている。そーして彼は言った。

「君は若いから骨が、か、硬いねーぇ!!」
「どひゃあーーーーー。うりゃああああああああ。」

何だか急に恐ろしくなってきた。恐ろしいのはいいとして、とにかく痛い。でも、痛いとはいわなかかった。やはり痛みを忘れるには叫ぶしかない!そう思った私は叫び続けた。

「あぎゃーーーー、ぐううううううううっく。いだだだだだだだだ。」

そのうち普通に叫ぶのに飽きてきた。

「どりゃーーーー、ど、どどどど、れみふぁそらしどー!いでででででで、電気あんまー!!」

笑っている。看護婦と医者が笑っている。私は心の中でこう思った。 「うけた。ラッキー!」 こうして、数時間をかけて3つの穴が開き、それぞれに鋼線が差し込まれ手術は完了したのであった。とにかく、疲れた。なぜ疲れたか?って。勿論叫びつかれた手術であった。

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