フリーランスの作り方005
スタジオに入り、MCの方に挨拶して、簡単な打ち合わせをして収録が始った。
「今日は、自主制作で音楽を作っている浅川さんをお招きしました。」
グレーのスーツを身にまとい、メガネをかけた7/3別けのサラリーマン風のいでたちの私がフォークギターを抱えて登場した。
「浅川さんは、Brain Weather Projectというバンドをやっているそうですが、メンバーは何名構成ですか?」
「はい。メンバーはドラムと、ギターとベースとシンセとパーカッション合わせて1名です。」
「1名?」
「はい。バンドは1名です。私だけです。私の音楽性を理解できるメンバーが居なかったので現在は私一人です。」
当時多重録音で一人で全部やっているのは少なかった。
「一人でどうやってバンドやるんですか?」
「あー、やろうと思えば出来ます・・・。」
というような会話が続き、16mm(オープンテープ)で、持ち込んだカラオケをバックに演奏が始った。
「それでは、失恋のどん底で生まれた『Under the Complex』という歌を歌っていただきましょう」
最初は、フォークソングみたいな歌い出しだが、徐々に乱れてくる。最後は、暴れ始めMCが止めに入って、つまみ出されるという構成。
まあ、擬似的ハプニングだ。
当時からまともな音楽をやっていたわけではない。
この出演がきっかけとなり、後日ディレクターから電話があった。
「浅川君。君放送に興味あるんだろ?テレビ番組の制作ブレインで手伝ってくれない?」
それが、最初の本業以外の副業の始まりだ。
翌日から週一の製作会議に参加して番組の企画をすることとなった。
正直、放送には興味があったが、業界に入る気は全く無かった。基本は写真屋であり、あくまでも遊びだったのだ。
つづく
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