フリーランスの作り方004
初めて会ったディレクターは女性の人だった。テレビ局のロビーで、ソファーに腰掛け、話を始めた。
「あ、どうも。初めまして浅川と申します。」
「どうも、ディレクターの五反田です。」
「あの、今回、自主制作テープの宣伝をしていただけるという事で来たんですけど。実は、そのコーナーの進行表を書いてきました。」
「え、進行表ですか?」
「はあ、Qシートです。これなんですけど、ちょっと見ていただけますか?」
「はい・・・・。」
相当に面食らっている。当然だろう。単なる情報コーナーの出演者との打ち合わせのつもりで来たにも関わらず、相手が番組進行表と企画書を持ってきている。あり得ない・・・。進行表と企画書を一瞥した彼女は続けていった。
「あの、ちょっと待ってもらえます?制作責任者呼んできますので・・・。」
彼女は、いそいそと書類をまとめロビーの奥に消えていった。ほどなくして、細めの男性を連れて戻ってきた。たたずまいはカジュアルだが、眼光がす るどい。どうやら、その番組のプロデューサーらしい。かれは、軽く挨拶するとディレクターから渡されたQシートに目を落とし読み始めた。
しばらく、間があき、彼が口を開いた。
「ふっ、面白いじゃない。やってみれば?」
「あ、ありがとうございます。」
それが制作会社のトップの竹崎さんとの出会いとなった。
私は、その番組の一つのコーナを潰して、持ち込んだ進行表に沿った宣伝をする事になった。
つづく
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